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糖尿病再生医療〜 自己脂肪由来幹細胞治療という選択〜

[2025.08.17]

はじめに

糖尿病は「一度発症したら一生付き合う病気」という印象が強く、多くの患者さんが日々の食事制限や服薬、インスリン注射と向き合っています。日本では成人の約5人に1人が糖尿病または予備群とされ、合併症のリスクから日常生活に多くの制限が生じてしまいます。

近年、この糖尿病に対し膵臓機能回復を目的とした再生医療「自己脂肪由来幹細胞治療」が注目を集めています。

糖尿病とは

糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病があります。1型は主に自己免疫反応によって膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンがほとんど作られなくなるタイプで、多くは若年期に発症します。

一方、2型は生活習慣や遺伝の影響によってインスリンの分泌が低下したり、出ても効きにくくなるタイプで(インスリン抵抗性といいます)、日本の糖尿病患者さんの約9割を占めます。

1型・2型ともにいずれも高血糖が続くことで、下記の合併症が生じます。

◆ 網膜症(失明のリスク)

◆ 腎症(透析原因の第1位)

◆ 神経障害(しびれ、潰瘍、壊疽)

標準治療は食事・運動・薬物療法による血糖管理、合併症予防となっていますが、膵臓そのものを再生させる治療は未確立です。

自己脂肪由来幹細胞治療とは

幹細胞には、下記の4つの特徴があります。

  1. 自己複製能(自らを増やし続ける能力)
  2. 分化能(どんな細胞にもなれる能力)
  3. 損傷部位に集まる「ホーミング効果」
  4. 成長因子やサイトカインを分泌し周囲を修復する「パラクリン作用」

自己脂肪由来幹細胞治療は、これらの能力を活かした再生医療の一つで、自分の腹部や太ももから少量の脂肪を採取し、そこから幹細胞を分離・培養し、何倍にも増やしたものを再度、点滴で身体に戻す治療です。特に慢性疼痛(膝・腰・肩など)の治療に数多く活用されています。また、肌のハリや弾力改善などアンチエイジング目的や、ED治療にも応用されています。

近年では、この幹細胞治療を糖尿病に応用し、膵臓のβ細胞機能回復を狙う研究が国内外で進んでおり、新たな治療選択肢として非常に注目されています。

糖尿病への応用

◆ 膵臓ランゲルハンス島に存在するβ細胞の修復や保護

◆ 新たなβ細胞への分化促進

◆ 膵臓周囲の炎症抑制

◆ インスリン抵抗性改善

培養して増やした幹細胞を点滴し、ホーミング効果で膵臓にたどり着いた幹細胞は上記のような働きをし、特にパラクリン作用による膵臓環境の改善が注目されています。

脂肪由来幹細胞治療により、血糖コントロールが改善し、既存治療だけでは難しかった膵臓機能そのものの回復を目指す新しい治療法として期待が高まっています。

HbA1c改善の公的研究報告例

  • 海外研究:2型糖尿病患者に自己脂肪由来幹細胞を3回投与 → 平均HbA1cが 9.6%→ 7.3%(6か月後)
  • 国内報告:HbA1cが 10% → 6.4%(3回投与後)

※これらは公的な臨床研究や症例報告に基づくデータです。


治療の流れ

✳︎当院では自己脂肪由来幹細胞治療はおこなっておりません。系列院「大宮エヴァグリーンクリニック」「新橋消化器内科・泌尿器科クリニック」にておこなっております。

  1. カウンセリング・適応確認(糖尿病状態や合併症をチェック)
  2. 脂肪採取(局所麻酔で約10g、傷は数mm程度)
  3. 幹細胞分離・培養(6週間かけて数千万~数億個に増やす)
  4. 静脈投与(点滴は1時間程度で終了)
  5. 経過観察(HbA1cや血糖値を数か月単位で確認)

幹細胞治療の認可を受けたクリニック

大宮エヴァグリーンクリニック/新橋消化器内科・泌尿器科クリニックは「再生医療等の安全性確保法」に基づき、認定再生医療等委員会による審査を経て、厚生局より再生医療等提供計画の認可を受けております。

計画番号:PB3250129(大宮)
計画番号:PB3250130(新橋)

患者様に安心して治療をお受けいただけるよう、安全性と倫理性を十分に確保した体制で再生医療を提供しております。

治療費用

自由診療のため保険適用外となり、クリニックにより異なりますが、1回あたり300~400万円が一般的です。

当クリニックグループは保険診療もおこなっているクリニックであり、静かで広い完全個室や専属コンシェルジュなど、ラグジュアリーな環境下での治療をご提供することが困難なため、価格を抑えて治療を提供させていただいております。医師・スタッフは保険診療で培われた確かな技術で治療を提供させていただきます。具体的な料金は下記の再生医療専用電話までお問い合わせください。

幹細胞治療のお問い合わせ・ご予約専用電話番号

03-6821-1771

まとめ

糖尿病領域における幹細胞治療は「膵臓機能そのものを回復させる可能性」を持つ治療として期待されています。今後、大規模臨床試験や長期的な追跡調査により、より正確な効果と安全性が明らかになることと思います。

Q&A

Q1. 幹細胞治療だけで糖尿病は治りますか?

A. 現時点では全員に効果が出るわけではなく、生活習慣改善との併用が重要です。

Q2. 効果はどのくらい続きますか?

A. 数か月~数年の報告があります。定期投与で維持する場合もあります。

Q3. 副作用は?

A. 自己細胞を使うため拒絶反応はほぼありませんが、脂肪採取部位の腫れや内出血が一時的に起こることがあります。

Q4. 1型糖尿病にも有効ですか?

A. 主に2型での報告が多く、1型では限定的です。

Q5. 誰でもこの治療を受けられますか?

A. 進行がん、活動性感染症、重度の心肺疾患、妊娠中・授乳中の方は基本的に適応外となります。それ以外でも、全身状態や既往歴によって受けられない場合があります。

幹細胞治療のお問い合わせ・ご予約専用電話番号

03-6821-1771

この記事を執筆した人
伊勢呂哲也

日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
名古屋大学出身
年間30000人以上の外来診察を行なう。
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。
再生医療専門クリニックも運営

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